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引き続き好調なGAMFAと今後の競合

GAMFAとは、ご存知Google、Apple、Microsoft、Facebook、Amazonの有力IT5社だ。すでに歴史の長いMicrosoftを除いた4社でGAFAという場合のほうが多いかもしれないが、MicrosoftもAppleと時価総額トップを争っているので、合わせて見ていきたい。なお、以下の議論は、ここ10日ほどの、新型コロナウィルスによる株式市場全体の下落前の状況をもとにしている。株価や時価総額の実数は、2月中旬以降低下しているが、この5社の他社に対する相対的な強さに変わりはない。

2月に入り、2019年12月末の決算結果が相次いで発表され、5社とも業績は引き続き好調だ。各社の株式時価総額も、2月19日現在、4社が1兆ドルを超えている。1兆ドル越えは、Appleがまず2018年8月に先陣を切り、その翌月にはAmazonがそれに続いた。その後両社とも少し株価を下げ、1兆ドルを切っているうちに、今度はMicrosoftが2019年7月、両社を超えて時価総額1兆ドルを達成、トップに立った。そして、Googleの親会社であるAlphabetも、2020年1月についに1兆ドルを超えた。

2月19日現在、MicrosoftとAppleの時価総額は、ともに1.42兆ドル。もう一桁下まで見ないとどちらが上かわからない状況だ。そして、AmazonとAlphabetが1兆ドルを少し超えたあたり。Facebookだけが、時価総額では、少し取り残された感じで0.62兆ドルだ。時価総額の高さ、つまり株価を押し上げているのは、各社の売上、利益の大きさと伸びだ。世の中全体を見渡すと、大きな成長を遂げている会社は、小さな企業などを除けば、比較的少ない。そのため、これら5社の株に人気が集まっているようだ。実際、この5社の時価総額で、有力大手500社の指標S&P500全体の19%を占めている。10年前のトップ5社は、全体の12%だったというから、この5社がいかに強いかが伺える。

もともとこの5社は、ほとんど競合せず、それぞれの得意分野でビジネスを伸ばしてきた。Googleはサーチ。Appleはスマートフォンなどの情報機器ハードウェア。Microsoftはパソコンのビジネス向けソフトウェア。Facebookはソーシャル・ネットワーキング(SNS)。AmazonはEコマース。しいて言えば、MicrosoftのOSを搭載したパソコンと、AppleのMacが競合していたが、それ以外は、それぞれが別な道を歩んでいた。

しかし、今はかなり状況が異なっている。GoogleとFacebookはサーチとSNSという異なる分野でビジネスを展開しているが、どちらもビジネスモデルは、サービスは無料で提供し、広告収入で売上を立てるものだ。インターネット系の広告ビジネスでは、Googleが一人勝ちしていたが、Facebookの参入により、市場シェアは、かなり下がってきている。インターネット広告の市場シェアは、Googleが37.2%、Facebookが22.1%。8.8%のAmazonを加えると、この3社で実に市場全体の68%以上を握っている。

また、サーチについても、サーチエンジン市場だけを見ると、まだGoogleが92%以上の圧倒的なシェアを持っているが、商品を購入する場合、Googleではなく、最初からAmazonで商品のサーチを行う場合が増えており、Googleのサーチ・ビジネスへの影響は免れない。そして、数年前から市場に出てきたAIアシスタントは、サーチよりユーザーのほしいもの、やりたいことを知ることができるパーソナル・アシスタント市場であり、ここではSiri(Apple)、Alexa(Amazon)、Google Assistant、Cortana(Microsoft)が、大きな競合を起こしている。最初に市場に出たのはSiriだったが、その後AlexaやGoogle Assistantのほうが優勢になっている。

大きな競合を起こしている分野は、さらにもう2つある。企業のコンピューター・システムの使い方は、自社所有によるものから、次第にクラウド・サービス利用に移行してきている。ここでトップを走るのはAmazon。第4四半期の売上が前年から34%アップの100億ドル、営業利益も19%アップの26億ドル、市場シェアは32.4%と推定されている。そして、ビジネス向けに強いMicrosoftがこれに続く。クラウド・サービスだけの売上の数字は出していないので、はっきりしないが、市場シェアは17.6%と推定されている。これを少し離れて追いかけるのがGoogleだ。今回、Googleは初めてクラウド・サービスの売上を公表し、2019年は前年より53%と大きく伸び、年間売上が89億ドルになり、市場シェアは6.0%と推定されている。

もう一つは、これから大きな山場を迎えそうな、ストリーミング・サービス市場だ。GAMFAではない、Netflix社がその先陣を切り、いまでも大きなリードを保っているが、それをAmazonが追いかけている。GoogleもYouTubeが長い間、一般ユーザーが投稿するサイトとして利用されていたが、3年前、有料のYouTubeTVを開始し、ストリーミング・サービス市場に参戦している。そしてAppleも昨年11月にAppleTV+がサービスを開始し、この市場に参戦した。この市場では、これ以外にも、昨年11月にサービス開始し、今年2月初め時点ですでに2,860万ユーザーを持つDisney+や、これからサービスをはじめるケーブル大手Comcast傘下のNBCUniversalによるPeacock、AT&T傘下のWarnerMediaによるHBO Maxなど、競合がひしめいている。ストリーミングは、ビデオ・コンテンツだけでなく、音楽コンテンツもあり、ここではAppleが先頭に立ち、Amazon、Googleなどが、GAMFA以外の数社を含め、追っている。

こんな中、これまで個別ビジネスの数字を出してこなかったAlphabetが、今回はじめてYouTubeの数字、そしてクラウド・ビジネスの数字を出してきて、注目を浴びている。YouTubeを見ると、YouTubeTVの有料ユーザーは200万を超えているという。これまでは、この数字が明らかになっておらず、業界関係者らが推定の数字を出していたが、それに比べると、やや予想より低かった、というのがもっぱらの評価だ。YouTube全体では、2019年の売上が151億ドルとのことだが、その約80%は広告収入で、残り20%がYouTubeTVや、YouTubeのプレミア会員収入、YouTube Music収入となる。

これまで、それぞれの異なる分野で伸びてきたGAMFA5社。それぞれの領域にお互いが食い込み、さらにAI分野やストリーミング・サービスなど、新たな分野で、GAMFA以外の会社を含め、本格的な競争の時代に入ってきた。それぞれの分野での勝者はどこになるか。GAMFA5社、そして彼らが戦う市場の動向から目が話せない。

  黒田 豊


(2020年3月)

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